タイプ616/36エンジンのシリンダーヘッド面歪みと熱応力割れの結晶構造評価
圧縮比の低下が確認された空冷水平対向シリンダーヘッド(タイプ616/36)を取り外し,金属材料の物理的健全性と,幾何歪みのマッピングを行った.
熱膨張という絶対法則への服従
バルブとバルブガイドのクリアランスは,排気側において0.040mm,吸気側において0.030mmに設定される.このクリアランスは,エンジンが運転温度(約95℃)に達した際に,バルブステムが熱膨張によって完全にガイドと同心円を保ちつつ,焼き付きを起こさない極限の隙間である.私たちはこの数値を,マイクロメーターの目盛りを通じて設計者の意志として受け取る.バルブシートの当たり幅は1.2mm±0.2mmにカッティングされ,シリンダー圧力をシールドするための聖域となる.
非破壊検査による微細亀裂の検証
2番および3番気筒の排気ポート周辺に,紫外線(UV)励起のカラー磁気探傷試験を実施.検査の結果,バルブ座面から燃焼室壁面にかけて深さ0.8mmのヘアラインクラックを検出.燐青銅製のオーバーサイズガイドの圧入とシートリングの新規入れ替えによって修正する.
Restoration Log
1968 Porsche 912
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